正解を発表しないといけない日本人、質問できない日本人

間違えたくない小学生

我が子、小学校低学年にして「発表したくない」と言います。

理由は「間違いたくないから」です。

わかる~私も、日本人だから、ね。でも、それって少し悲しい。

間違うこと、失敗することは「恥ずかしいこと」でも「怖い事」でもないよ、と常日頃、言っているつもりだし、自ら体をはって示しているつもりなのですが、なかなか難しいものですね。

人は失敗して、間違ってそこから多くのことを学ぶはずです。

でも、失敗を恐れる、そして傷つきたくない(から挑戦もしない)という若者の思考の構造があるような?


母の背中を見てなさい

子供がまだ幼稚園生の頃、都内の小学校で開催された“ひきたよしあきさん”の講演会に子連れで参加。

そこで、ひきたさんからのクイズ形式での質問が。

あえて少数派の方に手をあげ(結果、不正解でしたが)「最後に質問ありますか?」との問いかけの時に「はい」と手を挙げて頑張って1番に質問させていただきました。

だいたいこの手のPTA関係の講演会では、質問ありますか?と言われてホイホイ手を挙げられる人の方が少ないと感じています。それが日本人ですよね。

でも、子供連れで参加できる機会は(許可していただいて非常に感謝しております)そう滅多にないと思い、”母の背中を見ていないさい”と思って勇気を出したわけですが。

そんな姿なんて、覚えてもないのでしょうね(悲)


発表しない大学生に共感する小学生と間違えたくない小学生に共感する大学生

大学の授業がオンラインになり、私が自宅から配信していると、子供は4限目の最中に帰宅します。

聞いていないようで、意外と聞いているもので日常の会話の中で授業のキーワードのフレーズを言ってくることもあります。

授業の日のある朝「ね~、今日は、7日だから7グループだね」って言ってきました。

「ん?何のこと?」「誰も手あげないんでしょ?発表のグループだよ」

そうなんです、いっつも私が

「誰か発表してくれる人?どなたでも結構です」

「じゃ、いなければ今日は、○日だから○グループ(ブレイクアウトのルーム番号)で

話し合った事、教えてください」と言っているのを聞いているのでした。

私が、ヘッドフォンつけているから、授業の内容は分からないけど、私の発言だけは理解している模様。

大学生に「うちの子、小学生だけど、間違いたくないから発表したくない、と言うけどみんなもそうかな?」と問いかけると画面越しに大きく頷いている。

(キャリアの授業に正解も不正解もない、と何度も伝えていますがね)

小学生の話に共感する大学生。

また、発表しない大学生の現実?を知り、私に「今日は、○グループに当てる日」だと教えてくれる小学生。

なんなんだ、この構図は?と思いながら。

そういう現状に「そうだよね、わかる」と大学生のお兄さん、お姉さんに共感している小学生の我が子。

どちらの現状にも焦りとどうにかしないと、と感じている私です。


普段の授業も生かすかどうかは本人次第

そんな中でも比較的良く発言してくれるある学生さんがいました。

やはりそういう学生さんのことは講師側のこちらも記憶に残りますよね。

ある日、またその学生さんが手を挙げてくれたので

「○○さんは、どうしていつも発言してくださるの?他の授業でもそうなんですか?」

と聞いてみたところ

「いえ、あえてこの授業では頑張っています。これまでは、全然、発表しないタイプでしたが、この授業を履修して、先生の話を聴いて、今のうちにここで練習しておこうと思って」と嬉しいことを言ってくれたのです。

そして、ある時、授業に就職活動で内定をもらった先輩にモデリングということで来ていただきました。

先輩が同じ学年だった時に、どのように過ごしていたか?後輩達にアドバイスを、という趣旨です。

その時、一番に手を挙げて先輩たちに質問してくれた○○さん。

就職活動を経験した先輩が「○○○(実際の企業名)では、一番に質問した人は、本選考に呼ぶと言っていました。だから○○さんは呼ばれると思います」

と言ってくれたことで、その学生さんも自信につながったと思いますし、やはり企業も積極的に参加してくれている方には、目がいくのが当たり前だよね、と感じたのでした。(私が○○さんを記憶するように)


何事も小さい時からの積み重ね

この○○さんのように学生になってからでも「自分で変わろう、変わらないと」と思って頑張れる学生は、少ない印象です。

就活を始めて気づく事が多いのかな、と。

あ、普段からやっておくべきだったと。


就職活動の時や入社後に会議でも自分の意見を伝えられないと、どうなるでしょうね?

人は急には変われない、小さい時からの積み重ね。(は、ココ)

私も我が子に「間違ってもいい、人と違ってもいいんだよ、もし意見が違ったとしても、その誰かを否定するのでなく意見に対して自分の考えを伝えているだけ」

「その人を否定しているわけではないこと」を小学生なりに理解できるように日々、説明しています。

いつ本人が気づいて殻を破れるかな?今は、待つのみです。



【花さく共育】逆算育児のススメ

子供が1歳の時、人事・人材未経験から、学生支援を始めました。最初は、パートとキャリコンとの2足の草鞋。幼稚園卒園までは、子供の教育を優先しつつ8年目の今、大学キャリアセンターを掛け持ちし、キャリアデザイン講義を担当。その中で就職活動の段階では急に克服できない課題があることに気付きました。それは基礎学力+非認知能力の発達具合です。そこは幼少期からコツコツと積み重ねがカギだと実感しています。

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